君にずっと恋してる〜叶わない恋だとしても〜
病室には、尋斗くんが寝ている。


身体は拭き終わっていた。


彼のぞばに行き彼の顔を見た。


彼は、決して私を見る事はない。


何も言えない彼に対して


さっきの私の行動に、罪悪感が込み上げた。


尋斗くんがいるのに…私…
ごめんなさい。


剛くんが、


「何か買ってくるよ」


静かに言葉を発した。


そう言って毎回気を遣ってくれて


尋斗くんと二人にしてくれているんだと思う。



「ねぇ、尋斗くん。

最近、夢を見るよ。尋斗くんの夢。

…夢じゃなく、尋斗くんなの?」


そんなはずはない。。


わかってるけれど、言ってみたかった。


…えっ?


尋斗くんの眼から涙が。


「尋斗くん!尋斗くん!」


誰か!誰か!尋斗くんが眼をさますかもしれない!

誰か!誰かきて!剛くん!剛くん!


心で叫びながら、


病室の入り口に走った。


丁度、剛くんが戻ってきた。


私は、剛くんの腕を掴み、訴えた。


「ど、どうしたの!?」


私の動揺さに、剛くんを握る私の腕を剛くんは掴んで、真剣な眼差しで聞いてきた。


「ひ、尋斗くんの眼から涙が!涙が!」


「……。あっ。そうか。びっくりするよね。
目が覚めるんじゃないかって」

…?えっ?

私は、剛くんを見た。


「たまに、なるみたいなんだ。
俺も両親も、リンちゃんみたいに、慌ててた。笑
まるで、目を…覚ますみたいで…」


そうゆう現象がたまにあるらしい。

手がピクリと動いたり。

神経や筋肉の関係らしい。

私は、剛くんの腕を掴んだまま

全身の力が抜けて行った。

「大丈夫?」

そういいながら、私の体に手を回して
支えてくれていた。


「うん」


しばらく、震えが止まらなく、

足がガクガクして、剛くんに身を委ねた。


剛くんは、7部丈の服を着ていて


素肌がたまに、私の腕にあたる。


ガッチリめの腕だけれど

案外。柔らかくて。温かい…。


とても、安心できて、彼の温もりをしばらく感じていた。


剛くんも、また、じっとして


そのままいてくれた。


まるで…二人で互いの
温もりを感じあってるかのように…??


「ねぇ、りんちゃん。俺じゃダメかな?」


剛くんの声が静かな病室に響いた。


…?えっ?何がだろう?


首を傾げて剛くんを見た。


「俺…」


そこまで話すと剛くんはしばら口を閉ざした。






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