極上イケオジCEOのいちゃあま溺愛教育 ~クールで一途な彼の甘い独占欲~【完結】

40.秘書として初仕事ですっ!

「秘書は言い過ぎだな。おれのもとで修行といったところか。ビシバシいくから覚悟しろ」

「は……」

 はい、と返事をしようとしたが、驚愕でうまく声がでなかった。

「そうと決まったら、早速業務命令だ」

 当の逢坂はまったく意に介した様子もなく、矢継ぎ早にああしろ、こうしろと命令を飛ばしてくる。
 ちひろは、ついていくのに必死だ。

「まずは商品についてよく知ってもらう。うちのオフィシャルサイトを隅々まで閲覧し、商品ラインナップを覚えてきなさい。オリジナルブランドによって顧客層が変わってくる。そういったことを念頭に置き、うちの商品をじっくり見るんだ」

「は、はい。オフィシャルサイトですね」

「その次はライバル会社のサイトもチェックする。特に新作は要チェックだ。そしてその次にモール店で売れているものを……」

「は、は……はいっ……!」

 逢坂が次々と指示を出してくるから、ちひろは焦りでアワアワしそうになる。
 ひととおり指示を出し切ったのか、逢坂がコーヒーカップに手を伸ばし、冷めたコーヒーを一口すすった。

「以上だ。質問はあるか?」

 ちひろは処理速度が追いつかなくて、目を回しかけていた。

(ええと……オフィシャルサイトはネットで検索すればいいけど、ライバル会社はどう調べればいいの? やればわかるかな? あとから確認して……)

 安易にそう考えたが、ふと意識を改める。

(いいえ、質問はあるか? と逢坂社長は訊いたのよ。わからないことがあるなら、最初に確認したほうがいい。それでもあとで質問事項なんて山ほどでてくるんだもの。今のうちに訊けることは訊いておいたほうがいいわ)

「あ、あの……」

「なんだ」

「質問です……」

 ちひろは張り詰めてしまって、上手く質問内容が舌に乗らなかった。
 その微妙な間をどう思ったのか、逢坂が柔らかな口調でこう言った。

「ゆっくりでいい。自分の心の中でまとめてから質問しなさい」

「は、はい」

 深呼吸をしてから、脳内で質問事項を整理してみる。

「ええと……ライバル会社を教えてください。あと、モールで売れている商品の検証ですが、どの商品に絞って調べたらいいのでしょうか? いろいろあると思うのですが……」

 逢坂が深くうなずくと、更に指示を追加してきた。
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