ドS執事の甘いおしおき。

危機感を持ってください

その後もずっと不機嫌でなんとなく声がかけられなかった。

だけど、しっかりと仕事はこなしている。

柊斗ってすごく真面目なのよね。



「柊斗、私はもう寝るわ。あなたもそろそろ休みなさい。さっきからずっと書類まとめてるじゃない」

「私は大丈夫です。もう少ししましたら寝ますので」



疲れた顔ひとつ見せず、また黙々と書類をまとめはじめた。

本当に頑固な人なんだから。

きっと、さっきのこと、自分のせいだって責めてるから仕事してるんだろうな。

私は料理長さんに頼んで台所を借りた。

12時過ぎだったから明日の仕込みをしていた料理長さんは驚いていた。

もちろんお母様やお父様には内緒にしてもらった。

柊斗はブラックコーヒーが好きだったはず。

せめて柊斗の自分を責める気持ちが和らげばと思いながら淹れた。

きっとこんなことしたら「お嬢様、申し訳ございません」って謝るだろう。

別に謝ってほしいわけじゃない。私は柊斗が心配だからやってるのに。