白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
男の子は、音が聞こえてきそうな程唇を吸い上げ…彼女のモフモフしたサマーニットに片手を滑らす。

胸の谷間が見え隠れする状態から、私は首ごと視線を逸らす。

見覚えのある男の子のツーブロック…横顔。

「橙子……帰ろっ。」

「アコっ………。」

やっぱりあの男の子、レイジ君だ。

ツカツカと元来た道を戻るアコと交互に、彼の顔を再度確認する。

間違いない…レイジ君だ。

「待って…っ!アコ。いいの?このままで…。」

「いいも…何も…。お仕事だから、仕方ないじゃない。」

「 ………そっか。」

私はそれ以上突っ込まないことにして、彼女の早足について行く。

お仕事…だから。

コレがホストの現実?……か。
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