可愛くないから、キミがいい【完】





軽蔑された。

初めて会ったときの何倍も本気の顔で。

和泉しゅうが、私に対して怒っていた。




誰もいないところまできて、しゃがみこむ。


もう二度と会わないって誓いを立てることすらうまくできない。



だって、私、本当は、すこしだけ分かっている。


「……本当に、だいっきらいなんだもん」



こんなに傷ついて苦しくなっているのも。

どうしようもないくらいムカついているのも。



ーーーいつの間にか、和泉しゅうのことが大嫌いではなくなってしまっていたからだ。




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