可愛くないから、キミがいい【完】
あとがき



初めましてのかたも、お久しぶりのかたも、ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。何度も更新を止めてしまい、もう永遠に完結できないのではないかと思っていたのですが、このたび、無事に完結することができました。

この作品のヒロインは、じつは別作品(『ねえ、理解不能』)の脇役なのですが、その作品を書いていたときから、絶対に幸せにするぞー!と決めていた女の子でもありました。


「可愛い」ということにこだわり、それがすべてだと思っている。そういうふうに、生きていこうと思っている。そんなヒロインです。それを最後まで否定したいとは思いませんでした。

偽ってもいいと思ってます。こう見られたいと思う自分でいてもいい。だけど、そうなれない自分や、その内側にあるありのままの自分を、認めてくれて、そこをいいと思ってくれる人が、ひとりでもいたら、弱っている時も最強になれちゃうのではないかと思います。

広野みゆには、そういう相手と出会ってほしかったです。和泉しゅうは、広野みゆのことを全肯定しているわけではないですが、お前は大丈夫だよ、と伝えていたいのだと思います。きっとこれからも喧嘩ばかりだけど、とても相性のいいふたりなのではないでしょうか(!)


「可愛い」とはなになのか、よく考えます。ひとつ、自分の核においている正義とか信念があったとして、思春期は、それが揺らぐ時期でもあると思います。『可愛いが正義であろうとなかろうと、世界には簡単に裏切られてしまう』ということを、本編の中でも書いたのですが、どういう自分であろうと、自分に優しいだけの世界ではなくて、いつも何かしら戦場の中にいるなあ、と感じることが、私にもあります。

広野みゆと和泉しゅうの恋愛模様を中心にして書きましたが、そのなかでも、そういったことを詰め込んだつもりです。

伝わっていたらうれしいです。



私自身、ダサい男が結構好きで、いつも情けなかったり、拗らせすぎていたり、そういう男ばかりを書いてしまっているので、今回のヒーロー・和泉しゅうはぜったいにかっこいい男にするぞー!と思っていたのですが、結果的に、告ってもないのに付き合っていると思ってひとりで浮かれていたり、溝に二回もおちたり、元カノとの関係が微妙だったり、なんやかんや結局ダサい男になってしまった気がします(だけど、私は、和泉しゅうのことをすごく気に入っています照)

次の作品こそは!と、闘士を燃やしております炎


最後になりますが、この物語と出会ってくださり本当にありがとうございました。楽しんでいただけていたら、と願います。


愛をこめて

2021.12.12 灯 えま
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