秋に黄昏マジックアワー。褐色王子は恋愛魔法陣を行使する!

竜巻のPOOL

研修時に、EARTHPOOLで
ウォーターウェディングが出来る
と聞いたけどさ、そもそも
あのガセボ以外はさ、水よ、
どうやって会場にするの?

そんな事を、提案したわたし
本人が???ってなってたのよ。
けど、奇跡だね。


『うあ~🖤神秘的ですね~!』

ゆるふあヘアの、同僚お嬢さんが
うっとりして感嘆するのもさ、
無理ない。

「本当に、よくこの場所を覚えて
いたものね。さあ、内装の手配は
課長とタムラさんが 引き続き
やります!来賓受付はリストを
再確認して!ケータリング関係、
タイムテーブルと再度すり合わせ
ドリンクと料理を切らさないよう
最終チェック!あ、ビーガン
メニュー周りも見て確認!楽団、
オケチェックして。 はい!行動」

ミズキ先輩はガセボの真ん中で
パンと手を叩いて合図したから
わたしもさ、クリアボートの
最終チェックに動くよ。

今いるガセボは
花で淵を囲んで、見上げると
シャンデリアが3台吊らている。

周りを見回すと、貯水を囲む回廊はビュッフェテーブルをはじめ
大小のテーブルがクロスを
掛けて白く輝いてた。

「本当に、オープンからこんな
使い方を考えていたなんて驚き
だわ。課長じゃなきゃ、きっと
知らなかったわ。ボートなんて」

ミズキ先輩が、水辺を見ながら
一緒に歩いて行く。

回廊にも フラワースタンドや、
スタンドシャンデリアが飾られ、
アンティーク調デザインの
椅子や、クラシックベンチが
配されて、完璧。

でもさ、1番目を惹くのは、、
やっぱり このクリアボート。
もともと 貯水の掃除をするため
底に降りれる階段が、
回廊やガセボにさ、
幾つかあったんだよ。それが、
ちょうど、ボートの乗り降り場に
なるなんてさ、凄い。

「本当です。20艇でLEDライト付
ボートが、、幻想的ですよ。」

映えるなんてもんじゃない。
透明の2人乗りボートに乗ると、
まるで 光を操るみたいなんだよ。

「それに、あのお嬢さん達も、
意外に提案書だしてきたしね。
縁故入社も、そろそろ育成時
かしら。まだまだ だからね。 」

そうなんだよ。同僚お嬢さん達、
今回は力入ってて、ハロウィンも
近いから、マスカレードを
ドレスコードに入れてはとさ、
企画してきたんだよ。

「ちゃんと、レンタル関係も、
系列会社から、、リストして
ました。頑張って、ますよ。」

まあ、来賓と企業の交流メイン
だから、絶対仮面外しちゃダメ
でもないけどさ。

「まあ、単に自分達が 楽しみ
たかっただけでしょうに。」

そう言って、ミズキ先輩は、

「タムラさんも、ボートOKなら、
そろそろメイクルームで、
スタンバイしてもらいなさい。」

ボート乗り場の確認をして、
受付に戻っていった。

ボートエスコートは、
ヤマモリさんとこの
ディスパッチセンターから派遣
してもらっているからね、
わたしも確認だけ。

今回は華やかなパーティー 。
わたし達バンケットも
ヘアセットとかしてもらう。
派手じゃないのをお願い
しておいたよ。

あ、ケイトウとダレンも来るんだ

アサミは、足早にバックヤードへ
向かって、パウダーコーナーに
入った。

『タムラ様、お待たせしました。
セット、軽くメイクさせてもらい
ますね。よろしくお願いします』

タワーのライフフロアにある、
ビューティーパレスから、
スタイリストも派遣依頼してる。
なんでも、新しい美容品の
テストユーズもして、販拡を
考えているとか。

『あの、タムラ様?普段の
ファンデーションが、お肌の
お色よりかなり、濃いめすでが』

しまった。ソバカスとかも、
書いてるから、直されると困る。

「あの、ヘアセットだけ、で、」

アザミが、あたふたしていると、
後ろが騒がしくなる。
早めに着いた、ゲストが
リカバリーで、
パウダールームに入ってきたの
だろうと、思っていたら
アサミの隣席に座る人物が。

鏡ごしに、誰?と横をみて、!!
固まってしまった。

着物?って。

何故?偶然?それとも、、
隣に座った けどさ。確かマユ嬢?
凄く見てくるよ。

『ご、ご指定のヘアアクセサリー
持って参りますので、お待ちを』

流石にさ、スタイリストさんも
気にしてるよ。でも、ご令嬢は
レジデンスの常連客なんだね。
仕方なさそうにしてたよ。

明らかに覗き込むように、
隣から
無言で凝視してくる相手を
無視するため、アサミは
ヘアセットを待つフリをして
瞼を閉じる。


時間にして数分。

ふと、『ジョヨキリ。』と
束で切る音が 耳元でして、
アサミは、目を開いた。

『きゃあ、お客様!何なさって、 置いて下さい。ハサミを置いて』

酷く動揺したスタイリストさんの
声に、はてどうしたのと、
見たら、鏡の中のわたしの髪は

片方無残に短く切られていた。

『お客様!ハサミを こちらに
そのまま、お返しください!』

切られた方に 立つマユ嬢を
ゆっくり 首を回して見る。

マユ嬢は、何故かわたしの顔を
見て ハサミを手から落とした。
その瞳は、只でさえ
ガラス玉みたいに大きいのに、
さらに見開いて。

『お嬢様!!どうされましたか!
っ!!ああ、とりあえず 向こう
の控え室に、ケイ様がエスコート
にお待ちですから、、あとは、』

侍女みたいな女性に、マユ嬢は
引きずられ 連れていかれたよ。

何が起こった。え、嫉妬とか?
賠償とかぐらい、よ?


『タムラ様、あの髪を直します
が、切り揃えて宜しいですか。』

そう、言われたらさ仕方ないけど

これは、、、

スタイリストが揃えてくれたのは
耳が出るさ、
完全にショートカットヘアよ。
だよね。あんなに切られたらさ。

アサミは、
暫く考えて スタイリストに
違う服装の用意と、
今のメイクを落としてもらう事を
お願いした。

さすがにさ、
ミズキ先輩に報告をしに行く
しかないよ。

ああ、そうだ
同僚お嬢さん達にもさ、
感謝しなくちゃだ。
だって、ドレスコードは、
マスカレード。じゃなきゃさ、

わたしは、EARTHPOOLを
乗りきれなかったよ。
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