秋に黄昏マジックアワー。褐色王子は恋愛魔法陣を行使する!

アザミ混線SOS電話シオン

【『ケイトウ?どうしたのっ?え
アサミちゃんが辞表を出してっ?
連絡つながらないって?まって
っ!ちょっと落ち着いて』】


ローズガーデンの駅からは、
空港バスが出ているからさ、
ダンスする来場者の大波を
掻い潜る。


【『あ、初めてましてっ。
アサミちゃんの友達シオンと
いいますー。この間
ミズキさんの話は、電話で聞
いててっ、え、は?あー。
アサミちゃんが隠している
事情、そんな事がー。それで、
もとのアサミちゃんが表に
出たって事ですかっ?!』】


フラッシュモブの人波から
ケイはこない、これないよ。

1人で動く事なんて
考えれば出来ない。
ケイ=カイザー王子には
G.Bが付いてるはずだからさ。
それに
追いかてくる理由なんて、
あの王子にはないって事
気が付いたよ。

気が付いても、
すぐに、トイレでショールを腰に
結んで、帽子と付け毛に、
サングラスをする。
急ぐ理由なんてないのにさ。

昨日は、メディアが入ってた
わけじゃないから、変装も用心。
どうかなる事も ないけどね。

【『あれっ?ダレン?え?課長?
アサミの上司も仕事にこない?
わ、ミズキさん?えっとー、
アサミの置かれた辞表を見て、
課長さんが、アサミの住んでる
所行ったきり?ですかっ?』】

駐車場に抜けて、駅へ。
賑やかにダンスする女子達。

10年前。
学園の交流学生で友好
ダンスデモンストレーション。

交流の相手は
海外の御曹司とか王族でさ、
カッコいい海外男子に
お嬢様学園は、騒然だったな。

空港バスは夕暮れの高速を走る。

「まさか、さ、没落してから
カイザーに 再会するなんてよ。
神様は何考えるんだかさ。」

夜のグラデーションに染まる車内
ようやく、目的地に着く。

アサミはカバンのパスポートを
確認して帽子と付け毛を取った。
気が抜けたのか 喉が乾く感じ。


【『オーナーっ!なんだかっ!
とっかえひっかえ、電話に
皆んな出てきてー大変な事に、
え?!誰?!貴女、どちら様
住之江 繭さん?ごめんなさいっ
全然わかんない。あ、ごめん、
もう1度誰に何を言ったって』】


「今ならホノルルは、暖かいね」

ハロウィン仮装をした
スタッフが、アロハシャツ着て、
期間限定ジュースを
販売してるから
試し飲みさせてくれたのを買う。

【『ワアーっ!!オーナー!!
どうしようっ!この子!、
パーティー終わりにっ、課長って
上司に、「先ほどのダンサー、
華姉さまは、どちらにいますか」
って、聞いたって言ってるん
ですよっ!不味いですって!』】

アザミは呑気に袋を鞄に入れ
ながら、手続きに
カウンターへ向かう。

【『聞く人が聞いたらっ!バレ
ちゃいますって!アサミちゃん
の事!それを聞いた誰かが、』】

と、
アザミの両肩に 手が回された。


『西山 莇美さんですね。ちょっと
よろしいですか。警察とかは
御勘弁して、御同行を。』

全く聞き覚えのない声と、
プロの掌の感触を
肩に アザミは、抵抗を諦めた。
にわかに、目眩が
始まって足の力が抜けていく。

用心してたけど。
さっきのジュースよ。
抱えるように連れらて駐車場。
鈍くなる感覚の向こうで、
一瞬 何故か さ、

課長を見た気がするよ。

段々体が 鈍くなる。
究極に眠気が 襲ってくると、
ワゴン車のドアが
引き開けられる気配がして、

アザミの意識は
そのままブラックアウトした。


【『アザミちゃんのパパのせい
だと思うけどっ、アザミちゃんも
わからないんです。とにかく、
アザミちゃんを使ってっ、パパを
見付けるんだと、オーナー?』】


キューーーイキュィーーーーー

なぜだろう。
鳥、
鳥の声がするよ。空気が冷い。


少しずつ意識が覚めるけど、
すぐにはさ 動けない。
頭も痛い。気分もさ、悪いよ。
アザミは額に片手を当てて
ため息をつく。

「とうとうさ、つかまったよ。」

知らない天井に、蛍光灯が見えていて、背中の感じで、長椅子に
寝かされているとわかる。

耳を澄ます。無音。

目だけを動かすとさ、室内で
警備室?機械室?ボイラー?
って感じよ。
壁に無機質な時計。えっと、、、

体に力が入らないけど
目だけで確認したらさ、
辺り前だけど、
カバンとか電話は 失くなってる

でも、拘束はされてない。

四畳ぐらいの部屋。
アナログな壁時計は、1時過ぎを
指してるけどさ、
何時間たっての1時過ぎよ?

目の前に 事務机と椅子。
そこになんだか いろんなボタン。
配電盤かな?


【『もしも~しぃ。今はさぁ、
そっち電話口にはぁ、誰がいる?
シオンくん伝えで聞いた話を
さぁ、考えるとねん。
アザミくんはぁ、誰かに拉致され
た恐れがあるけどぉ、逃げただけ
かもしれない。
けどぉ、それならぁ、
課長さんがぁ、昨日に
アザミくんのぉ辞表を確認しに
アザミくんとこに~行ってからぁ
連絡がないのは~おかしい。』】


窓はなし。ドアが2つ。
壁も天井も床も
コンクリートで遮断性高そう。

換気口があるから窒息はしないね。ん、体を起こせそう。

アザミは事務長椅子から
ゆっくり上体を起して、
自分の体を確かめる。

乱暴された形跡はなし。
腕のラバーバンドは そのまま。
靴も、洋服もそのまま。

うん。よし、上々。
足や手に力も入る。立って、

1つのドアノブを回すけど、
鍵が掛かっている。
じゃあ、もう1つのドアを、
開けると、手洗い付きの

トイレだった。


【『ダーレン!アザミちゃんの
部屋を確認してぇ、
ケイトゥは課長さん がぁ
個人で鍵出入りできる場所を
ミズキ 女史に聞いてぇ。
あ~警察も連絡ねん。
うん、
今ってさあ、式典あるからぁ、
目立って移動とかはぁ、
引っ掛かるからぁ、今日は~
目の届く所に置いとくよねん』】


とりあえず用を足すフリで、
トイレに入って、
スカートのベルトに手をかける。

腕のラバーバンドは腕時計の
バンド。もう少し言えば、
携帯電話時計のラバーバンド。

着脱できる本体を、アザミは
ベルトのバックルに替えていた。

モールの入り口にある
あの書店セレクトショップで、
買ったんだよ。
ランニングのメディカルデータが
管理できるからと思ってさ。
GPS万歩計付属が役立ったよ。

電話帳登録が、出来ないけどね。

デジタル時計は、13:42

さて、どこに電話しよう。
警察?いや ここの場所が
説明できない。なら、

アザミは、シューズの中敷きに
入れていた 名刺を取り出す。

ランニングシューズには、
100円と1万円を
中敷きの下に入れてるのだよ。
諸君!!

“ 何かあれば、ここに
魔術師ケイとコンタクト
したいと言えばいい。”

ってケイに最初 出された、
大手企業名とカスガと印字
された名刺。

時間的にケイは式典に出てる、
のは承知の上。
それに、もう契約もしてない
王子さまと 一般人。

だからさ、この名刺先から、
援助を 請うしかないよ。
どっかの直通電話みたいだけど。
2度コールする。
良かった電波、届くみたいよ。
出て!お願い!


『はい!海外研究室準備部
カスガっす!いつも
ありがとうございますっ!』

???

『もしもーし!海外研部署、
カスガっす!お電話
ありがとうございますっ!』

「あの、、イリュージョニスト
・ケイに何かあれば電話する
よう言われて名刺をもらった
んですけど。すいませんが、」

『えー!またあの暴君王子っす
か?!参ったなあ。先輩!
なんか暴君にクレームっすよ。
また、スモークで迷惑とかっ
すか?どーもすいません。
本当に申し訳ございません!
え?違うんすか?誰っすか?』

ああ、もうハラハラする。
誰かくる前によ、

「あの、ケイの執事ヤマモリさん
に、すぐ連絡して下さい。
田村アサミを探してくれ、
田村の上司がいる場所にいる
から、内緒で契約したいと。」

『え?タムラアサミをさがす?
迷子ですか?先輩迷子捜索で
したっす。あ、いってらっしゃ
い。え?あ、迷子は警察にって、
そうっすね。警察に言った
方がいいっすよ。お客さま、』

こいつさ。通じんヤツだよ。

「だから、執事のヤマモリに、
タムラアサミを探して助けて
すぐって言ってよ。課長にラチ
られてる可能性大だからって、」

『ガチャン!!』

あ、きた『ザバー!!』トイレを
流して、すぐ電話を切ったら
急いで、電話をベルトにして

「は、はい!」

飛びだすと、事務机の上に
食事が載せられていた。
相手は、ご丁寧にサングラス、、

「ありがとうございます。」

一応 食事のお礼を言う。
でもさ、無言で出ていかれたよ。
鍵が掛かる音。


【『うん~ん、?ヨミくん 電話?
こっちも忙しいカスガ?
Assocくんかぁ。やあ
え、ちょっと待ってねん。
シオンくん!
Assocくんとこに
何故かアザミくんがSOSしてきた
って~!ヤマモリってぇ誰ぇ。
あ?今度はぁ、こっちの電話か
え~、
ヤマモリって知ってるって
ちょっと~待ってねん。
Assocくん~、
タムラアサミを
ケイのヤマモリ執事に探せ
って電話があったのん?ふん。
課長にラチられたとか言ってた!
え、
ミズキ女史?何?~もう』】


もう1度さ、電話。もっと他!
でも、番号わかんないよ!!
便利は不便だ!!

携帯電話時計、充電食うのにさ!
警察に電話する?

でもさ、ここ
どこだよ?何か手がかりわ?
水、水の音がするよ。それと

ティカ?

【『ヨミくん~。ボク両手に電話
でぇ、なんだかさぁ。
な、なに~シオンくん!は?
地下?私道の地下道?そんなの
あるのん?どこぉ。そんなに!
ミズキ女史さぁ、
もしかして~
課長さん地下の鍵あるぅ?
何ぃ、ボク?私わねぇ、
タケヒサ ハジメ。ギャラリー
探偵とか言われるけどぉ、
只の ギャラリストだよん~』】
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