秋に黄昏マジックアワー。褐色王子は恋愛魔法陣を行使する!

HAPPY🖤マジックアワー

世界最大級
国際クルーズターミナル。
まだ真新しい海の駅に、
アザミとケイが乗るメガヨットが
停泊している。

甲板に、白のワンピースを着た
アザミを 後ろから
ガッシリ抱き締めて立つ、ケイも
白のオータムジャケットに
チーフを指して、

2人は潮風に吹かれながら、
揃えてブライダルホワイト
スタイルだ。

「ケイ、いいかげんにしてっー。
アザミちゃん困ってるでしょっ」

アザミがショートヘアなのを
良い事に、ケイはしきりに
頬擦りをしたり、
首元に顔を寄せたりをして、
見ようによっては
大型犬のジャレに錯覚。

「おまえアザミ獲られてjealousy
なのは分かるが、Communicate
loveが強いのは種族のoriginally
だ。昨日のおまえ達も悪いぞ。」

シッシッと片手で避けられた。

2人の前にいるシオンをはじめ
ギャラリー武々1Bメンバーは
呆れた 眼差しで
大型犬に無言の合図を
送っているが、聞きそうに
ない。

「Yes!↑ヘリポートパーティー
サイコー↑↑でしたわね!」

パチンと両手を鳴らしてケイトウが、思い出すような顔で、空気を
変えて、アザミに破顔した。

「本当にさ、みんなには感謝しか
ないよ。有り難うね。」

アザミは、頭を下げる。

そうだよ!昨日はもうさ、
目まぐるしくハチャメチャだよ!
拐われたのを皆んなが
全力で探してくれて、、。


海からケイに引き揚げられ
1番近い空港に
降りると思った時、
湾を越えて
アザミの瞳に映り始めたのは、

グラデーションに色変する
湾岸の観覧車イルミネーションに、路をランするテールランプ。
夜空に
浮かび上がった
ツリーのようなレインボー橋。
だった。

今は それさえ越えていく。
という事は!

「ケイ!もしかしてさ、
このまま ベリーヒルズビレッジに
戻るつもり!」

ヘリの爆音にアザミは叫んだ。

言ってるうちに、暗闇に沈む
皇居の森を飛び越えて、
開発ビル群には
もうすでに、大小タワー。

旋回して
メイン駅に、和光時計の交差点。
そこは白光に、ネオンの洪水。
だった。

電飾看板が川となって
通りを 動くランプの星達が
まるで、銀河から
四方へと流れる 宝石の大地。

これが この国の代表する夜景。

それはもうさ、
メトロポリタンイルミネーション
だよ。

「アザミ!stand-by!」

奥にさ、ライトアップされた
ヒルズビレッジのオフィスタワーが見えたよ。早い!!

「着くぞ!ヤマモリGet ready!」

え?!それ!

川のような道路のオレンジ光、
スカイライン
それに
航空障害灯が点滅する赤々、
定位置飛行になって、

「one!two!Descent!GO!!」

次の瞬間、
固定したアザミの体ごと
ケイはヘリから 空中へ出て
真上から迫る夜景に

スーーー、、降下して
ポートへ着地した。

「ウソでしょ、、」

唖然とするアザミを余所に
反対の扉から、ワイヤー下降した
ヤマモリが、当然のように
安全器具をはずせば、
自動巻き上げ
ヘリは湾岸方面へ、飛びさった。

「信じられないっ!」

へたへたと腰を抜かしそうな
アザミを肩に

「何回目だ。そのセリフ。」

ケイは面白そうに笑って
待っていた一団に手を上げた。

「「アザミちゃん!」」
「「アサミ!」」
「タムラさん!」「華姉様!!」

グリーンガーデンのヘリポート。
シオン達、ギャラリー面々と
ミズキ、繭嬢が待っていて、

アザミに次々抱きついてきた!
涙と笑いとが一緒くたになる。
それは、ヤマモリが

「ハイハーイ!今からポートで
ガーデンナイトピクニックの
用意しますので、お手伝い下さ
いますでしょうか、皆様!!」
と、
叫ぶまで続いた。

「で、こう言っては 何なんです
けども、住之江 繭様が、ここに
いらっしゃる理由を聞いて
も宜しいでしょうか?」

ふと、
ミズキが、今回の騒動の一因は
貴女じゃないですかと、
言わんばかりの視線を、着物令嬢
に投げ掛ける。
それに、応えたのは

「あーーっ。それはですねっ、
かなり残念な不可抗力といいます
かっ、マユお嬢様は『華親衛』
アザミちゃんの、学園時代の
熱烈ファンだったんですよっ!」

「「『華親衛』?」」

思いがけない単語に畳み掛ける。

「アザミちゃん凄かったんです。
短髪で長身二枚目気質、女学園の
麗人で、恋い焦がれる憧れの的っ
ラブレターとか山で。そんな行き
過ぎファンを統率するチームの
1人に、マユお嬢様はいてたと」

シオンが、マユ嬢を押し出す。

「華姉様、ごめんなさいませ!
御髪をまとめられたお姿から、
もしやと考えあぐねてましたら
あの様なひどい行い。華姉様に
二目会えるかもしれないと、
本当にごめんなさいませ!嫌いに
ならないで下さいませ!」

いやいやさ、お嬢様よ。
そりゃ、そんな有志団いるの
知らなかったわたしも、
だけどさ。
アザミは苦笑した。

「華姉様、、わたくし、
ケイ様の、どこか華姉様に似て
いらっしゃる、面影を慕って、」

え。何。と思うと、

「マユ。止めろ。それ以上は
Don't talk だろ。控えろ!!」

ケイが ヘルメットで乱れた髪を
整えて 慌ててやってきた。
しかも、手には
薔薇のドでかい花束を抱えて。

ヤマモリ以外呆気にとられる。

「アザミ、」

例の如くケイが 指を鳴らすと
白い鳥達が 飛び出して、夜空を
旋回、1匹がケイの左指に降りて
その鳥を指に、

「約束のAmulet bird
『ティカ』を貰って欲しい。
運命神の使いとして ティカは
王子と共にある鳥。花嫁の鳥だ」

薔薇の花束とをアザミに
差し出した。

「 10年。あの日からずっとだ、
fell in one moment。」

「 Please marry me、、
なあ、オレのものになって。
手を取ってくれ、アザミ。」

熱の発する瞳で 乞うケイ。

その左指に留まるティカを
見つめる。アザミ。

「パパの事、何も片付いてない。
今度と同じ事さ、何回もあるよ」
だから、躊躇うのに、

「I protect you 愛しているんだ」

ケイがその言葉で 言い訳を
消してしまった。アザミは
ティカを 自分の左指に誘う。

「花嫁候補いたんじゃないの?」

なのに、ケイはニカッと白い歯を
魅せて笑い

「だから迎えにきた。love you」

膝付いて、両腕を薔薇の薫りを
くゆらせて 優しく開くから、

「Me too!」

アザミは、思わず飛び込んだ。
ケイの匂いがして、
背中に回される腕が 心地いい。
すぐ、お尻を触るからさ、
ツネッておいたよ。

それを合図に、
固唾を飲んで見守っていた
面々が 大ハシャギで手を叩く!

「やったねっー!エロ王子っ!」

「どうなる事かとヒヤヒヤした。
主が108本薔薇を用意しろって
いきなりオーダーするしな。」

シオンとヤマモリが ハイタッチだ

「NO!!ハロウィンピクニック
から、マリッジパーティーです
わよ↑↑アフターは、パジャマ
パーティーですね!☆↑↑」

「ヤマモリ?このドームテント
どーしたの?いつの間にか、
LEDランタンまで配置して。」

ケイトウは、早速テーブルから
シャンパンを掲げて、
ミズキは、すぐ後ろにある
グランピングテントを指差した。

「ちょっと、ちょっとぉ!誰の
お蔭でさぁ、最速救助できたと
さぁ、思ってるんだい?少しは
労ってくれないのかなぁ~。」

ハジメとヨミも、ジャケットを
脱いで、寛ぐが、

「オーナーは、後で事情聴取モノ
ですよ!雷門に置いてる船をキャプテンとターミナルに移動で!」

ヨミだけは、抜かりない台詞で
オーナーを小突いた。

「まて!そのドームテントは、
アザミとNight time テントだ!」

アザミを抱き上げて
くるくると 舞わすケイの
怒号がするが、

「えー!今日はっ このテントで
女子会ですぅっ。エロ王子は、
下で、ボディーガード待ってる」

シオンの一撃で、却下された。

ヘリポートで夜空のピクニック。
賑やかな声は深夜まで続き、
ケイは男性陣に引き摺られ、
女性陣は、
さらに パジャマパーティーに
突入したのだった。



昨日の夜を非難する
ジト目で、シオンを睨みながら
相変わらず アザミの腰から
離れないケイに、

「最もらしさを言葉にして、
要するは 独占欲の塊が通常運転
とお国柄を抜かしている様だ。」

ダレンがグラデーションな
前髪を掴き上げ 嘆いた。

「そっちのおまえは、wordsense
だけは、goodチョイスだ。」

そんなダレンをケイは、無敵と
笑顔で撃沈する。

「嫌味が通じん色馬鹿だった」

ダレンは諦め顔をした時、
そろそろ時間となる。

ヤマモリがP.B最後の仕事と、
シックな 片目達磨を
ケイに差し出した。

ハジメが 目を見開いて

「イリュージョニストはぁ、
すっかりジンクス担ぎ屋だぁ?」

楽しそうに達磨を撫でる。

よくわかないと訝しがる他の
面々を余所に、ケイは
満足そうに、達磨の目を
両面に仕上げ、

さあ、帰りは ギャラリスト探偵が
用意してくれたメガヨットで
出発だ!と、
喜びの雄叫びをする。

シオン達は、アザミとケイに
カラーテープの端が付いた
13本の白薔薇のブーケを
ゆっくりと 手渡した。

「アザミちゃんのお母さんに 、
ケイが挨拶したらっ、そのまま
船で行くんだよねっー。」

シオンの感慨無量な声と、

「うん、マカオをさ経由して、
ケイの国に行くよ。だからさ、」

アザミの 淋しさが混じる顔は、

「結婚式さ、来てよ。絶対!」

固く握った女子2人の手の感触で
確信に変わった。

「 決まってるっ!世界でお金持
ちな国の王子様と結婚だよっ!
大富豪とラグジュアリーな結婚!
絶対いくっ!だって同志だよっ」

それはさ、幸せの合図だよ。
あの日とは180度違う世界。
閉まるのは、
無機質なエレベーターじゃない。

「アザミちゃん!幸せにねー!」

甲板から デッキゲートが
上げられて、

白く輝くメガヨットのトビラが
ロックされた。

出発の合図が 鳴る。

ブーケから
カラフルなテープがどんどん
延びて、ゆく。

手を振るショートヘア美人と、
嫌味なほど にこやかに、
パートナーを抱きつつ 手を振る
褐色の王子。

遠ざかる船の距離が、
やがて 潮風にテープを
舞い散らせる。
船影が 遠くなる。

「ケイ、もう抱き締めてたらさ、
動けないよ。少し腰から離れて」

「Why?漸く2人のSweet time
だろ?離すわけない。このまま」

人目が無くなったと、
ケイは遠慮なくアザミの首や
空いた背中に 音をたてて
跡を吸い付ける。

「なわけないでしょ!船に警護
も、キャプテンもいるんだよ。
恥ずかしいから駄目!!」

「マジか!!全員、このまま
海にDive in しろ!すぐだ!!」

凄くいやそうなサングラス顔
そこにいるんだよ。

「やめてよ!船が進まないよ!」

腰の手を 叩くのに、

「じゃ、着くまで Stay SEX ?」

この不埒な褐色の王子は
相変わらず わたしにベタ惚れだよ

「ケイさ、蹴り上げるよ!」

side A Fin

HAPPY HALLOWEEN!!☆🖤★

『 秋に黄昏、褐色の王子は
恋愛魔法陣を行使する。sideA』
2020・10・1~31
脱稿


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