先生がいてくれるなら②【完】

やはりどのクラスもホームルームを終えている。


5組の教室を入り口から覗くが誰もおらず、がらんとしていた。


念のため中に入って立花の席を確認すると、まだ彼女の鞄が机の脇にかけられたままだ。



下校してない、のか……?



だったらどうして準備室に来ないんだろう。


誰かと会ってる?



真っ先に頭に思い浮かんだのは、倉林だ。


苦々しい気持ちで倉林の席を確認したが、あいつの鞄は無かった。



まさか立花に限って、鞄を忘れて帰るなんて事はしないだろう。


取りに戻ってくるつもりで教室に置いたままにしているに違いない。


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