結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
そして、もっと普通の、仲良しな祖父と孫の関係になりたいと、ずっと思っている。
私がおじいちゃんのことを理解できないのと同じように、おじいちゃんも私のことが理解できないのかもしれない。
せっかく家族なんだから、もっと歩み寄れたらいいのに。
「大丈夫だよ。なんとかできるさ」
「狼くん……ありがとう」
背中からふんわり抱きしめられて、狼くんの体温を感じながら、すんと鼻をすすった。
狼くんが一緒にいてくれたら、本当になんとかできるような気がしてくるのは、どうしてなんだろう。
「さて、じゃあデートしようか」
「……ん?」
「せっかく仁葵ちゃんのご両親公認の仲になれたんだから、これから堂々とデートできるでしょ。仁葵ちゃんはどこに行きたい? ショッピング? は、行ったばっかりか。映画は? それとも遊園地? 水族館? いっそのこと海外でもいいよ」
どこにだって連れて行ってあげる。
歌うようにそう言われて、なんだかおかしくて笑ってしまった。