結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編２追加】

「三船くんはボディーガードである前に、仁葵ちゃんの幼なじみでしょう？　小さい頃からずっと仁葵ちゃんを見てきたんですよ。大切じゃないわけありません」

「でも、剣馬はいつだっておじいちゃん最優先だよ」

「そう見えるのかもしれませんが、私はそうではないと思っています」


寧々子ちゃんは確信しているかのように言うけど、私にはとてもそうは思えなかった。
剣馬がどれだけおじいちゃん優先なのか、いちばん知っているのは私だから。


「まあ、剣馬のことはいいよ。それよりも……」

「飛鳥井くんの婚約者、ですね。でも本当にいるのかはわからないのでしょう？」

「たしかに、私が実際この目で見たとかじゃないけど。でも剣馬が嘘をつくとも思えないし」

「まあ。そういうところは幼なじみを信用しているんですね」


くすくす笑われて、バツの悪い気持ちになる。