桜色に染まる。
「もしもし。」

「……っ」

「ねぇ、結。声聞かせて?」

「…………はぃっ。」

「ふふ……可愛い。」

「そんなことっ……////」

彼の悩みは、甘い配信のあまり、リスナーが彼に本気になってしまったと。

そのせいで、ネット内ではあるが、お付き合いをしていた彼女に誤解されてしまい、お別れしそうになっているらしい。

「あなたの声は、本当に人を惑わす。
それほど、魅力的で、心に残る。
そんなあなたの配信が、私はすごく好きで、これからも続けて欲しいって……思ってますよ?」

「結は、俺の欲しい言葉をくれるよね。
もう、辞めようかと思ってたんだ。
俺の事を、本当に必要としてくれる子のために、誤解されたくないから。」

「私は、すごく寂しいけど。
あなたが決めたことなら、それでいいと思います。明日、笑顔で迎えられるように、素敵な日々を歩めるように。」

「ねぇ……結?
俺の事、必要としてくれる?」

「何言ってるんですか、とっくに必要としてるから、毎日通うのでしょ?♡♡」

「じゃあ俺……結が待っててくれるなら、続けようかな。。」


彼の心に、何かしら届いたような気がして、すごく私の心は暖かくなった。
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