お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
「それは哀れな私への同情ですか」

「同情じゃない」

「じゃあなんですか」

みくるは少し怒った様子を見せた。

「お金持ちはお金さえあれば、なんでも手に入ると思ってますよね、確かに私は切り詰めた生活をしています、怖い思いもしています、社長のマンションに住まわせて頂いて助かっています、でもだからと言って都合のいい女にはなれません、私が社長の彼女になるなんてあり得ないことです、しかも社長名義の携帯を持てるわけがありません」

みくるは一気に自分の気持ちを俺にぶつけた。
そして我にかえって、「申し訳ありません、私は社長になんてことを、すみません」と必死に謝った。

「俺は金でなんでも手に入るとは思ってないよ」

「社長がそうだと言うわけではなくて、あの、すみません、私・・・」

みくるは申し訳ないと言う感じで、頭を下げていた。

「わかった、もう大丈夫だよ、ただ携帯は持ってて欲しいんだ、連絡取れないと俺が困るから」

「はい」

「俺の彼女になってもらいたい話は、俺とデートして楽しかったら考えてくれる?」

みくるは俯いて考えている様子だった。
まさか、この後、予想もしなかった事実を突きつけられようとは思っても見なかった。
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