お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
「よし、こっちで公表しちゃおう」

「いけません、そんな事」

みくるは怖い顔をして俺に食ってかかった。

「どうしてだよ、何の問題もないよ」

「よくわかりませんが、上流階級と一般庶民では考え方が違うんですよ、平野さんがあんなに内密にって言ってたんですから」

「そうかなあ、じゃあしらを切り通すか?」

「いいえ、私が海堂さんと結婚すれば、黙っててくれるんですから」

「何を言ってるんだ、みくるは俺だけのものだ、絶対に誰にも渡さない」

俺はみくるを引き寄せ抱きしめた。

「ダメです、私は社長には相応しくありませんから」

みくるはすぐに俺の腕からすり抜けて行く。

「俺がなんとかするから、みくるは勝手に行動するなよ、いいな」

この時みくるは俺の元を去る決心をしていたなど予想も出来なかった。

いつも自分のことよりも、俺の事を気にかけてくれるみくる。

俺のお袋もそうだった。

「誄、ごめんね、九条さんはとても素敵な人よ、
だから迷惑かけちゃダメなの」

お袋はいつも言っていた。

大好きだから迷惑かけられないと・・・

そうじゃねえだろ、大好きなら頼って欲しい。

しかし、みくるの気持ちははっきりわからない。

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