キミとの日々を永遠に
第1章

出逢い




もう花弁がほとんど散ってしまって緑色に染まりつつある桜並木を抜け、校門をくぐり、校内へと足を踏み入れる


目の前にはピカピカの制服に身を包まれたたくさんの同級生たち


だけどこの中に私の知っている人は一人もいない


お父さんの仕事の都合で元いた町を離れることになり、この春から私はここ、県立桜ケ丘高等学校に通うことになった


前住んでいたところからは車で一時間弱


そんなに遠く離れた場所ではないけれど、今日からは仲のいい友達も、通い慣れた街並みもないこの場所でやっていかなくちゃならない


友達とか、できるのかな…


小さいころから人見知りが激しくて、初対面の人と話すと必ず言葉に詰まってしまう


そんなあがり症の自覚があるから不安でいっぱいだ


人知れずため息をついていると、いつの間にかクラス割の書かれた掲示板の前まで来ていた


だけど人だかりのせいで、身長150cmにも満たない私には一向に前が見えない


何とかして見れないものかと背伸びをしてみたり、その場で軽くジャンプしたりしていると、バランスを崩しぐらっと後ろに倒れそうになる


まずい…っ


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