溺愛執事のキスの雨



恋様はそう言って、薔薇園にある小さな椅子に腰掛けた

先程その近くのテーブルに置いた紅茶の注がれたカップを片手に、1口飲む


紅茶を飲む、たったそれだけの行為なのに、恋様がそれをするだけで、何か特別な行為に見えた



「篠宮、これから宜しくね」


小さく微笑んてそう言った恋様

捨てられたと自覚した日から

大嫌いだった"篠宮"という名前が


恋様に呼ばれるだけで特別に感じて




恋様に出会ったあの日から


俺はずっと恋様を愛している─────






< 51 / 185 >

この作品をシェア

pagetop