ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
 お風呂上がりでまだホカホカしているエリナは、馬車の中でもルディの尻尾に包まれて、温かなままで家に到着した。そして、そのままベッドに運ばれる。

 さすがに寝巻きでなかったルディも、寝る支度は済んでいるので、いつものようにフェンリルの姿になってからぽふっとベッドに乗り、最高にふわふわした銀色の尻尾をエリナに絡めた。

「今日は、とても楽しかったです。あと、本をありがとうございます」

 スカイヴェン国の歴史と地理の、ちょうどわかりやすい本をルディにもらったエリナは、嬉しそうに言った。

「小さい頃のルディさんが読んでいた本なんですね」

「まあな。いたずら書きが書いてあるかもしれないが、気にするな」

 鼻先で子猫の耳をつんつんしながら、ルディが笑った。

「俺は騎士になるつもりだったからな、正直あまり勉強には身を入れてなかったが、歴史と地理くらいは騎士にも必要だったから、それなりにやったぞ。わからないところは俺に聞くといい」

「はい」

 エリナは、半分まぶたが閉じている。そんな子猫をしっかりと包みながら、ルディは「ゆっくりおやすみ、エリナ」と寝かしつけた。
 そして心の中で、あの時ぼんやりと浮かびあがった見知らぬ少女はなんだったのだろうか、と考えながら、自分も夢の中に落ちて行ったのであった。
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