あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!




(……あれ?)



お風呂からあがったら、樹生さんの姿がなかった。
どこに行ったんだろう?
会社から呼び出しでもあったのかな?
そう思ってスマホを見てみたけど、何の連絡も入ってなかった。



今日は、ちょっと心細いから、樹生さんにはいてほしかったけど、無理は言えないよね…
早く寝るしかないかな…
そんなことを思ってる時、玄関の方で物音がして…



「もうあがってたの。」

樹生さんだった。



「はい。何か急用でも?」

「さ、脱いで。」

「え?」



脱いでって、まさかここで?
しかも、こんな急に!?
恥ずかしさに顔が熱くなる。



私が戸惑ってたせいか、樹生さんはポケットから小さなものを取り出した。



「薬、買って来た。」

「薬?」

「やけどの薬…だから早く脱いで。」

「あ……」

樹生さん、わざわざ薬を買いに行ってくれたんだ。
お馬鹿な勘違いに照れながら、私はボタンをはずし、パジャマをずらして肩を出した。



「お風呂に入って痛まなかった?」

「あぁ、はい、少しだけ…」

「大丈夫かな?本当に病院に行かなくて、痕が残ったりしないかな?」

「大丈夫ですよ。そんなにたいしたもんじゃありませんから…」

自分でやるって言ったのに、樹生さんは赤くなったところに薬を塗りこんでくれた。
なんだか申し訳ないやら嬉しいやら。
樹生さん…本当に優しいよね。
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