平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
こうして見ていると、自分はとても子供なんだなと思わされる。それに対してジェドは、すごく大人だ。

彼はじっくり構えて、何事にも動じない強さがある。頼り甲斐があって、だからコーマックたちも一心に信頼してついていっているのだろう。

――私だって、そうだ。

いつの間にか、リズは「この人なら」と信頼して、安心してもいる自分に気づいていた。

幼獣をあやしていたジェドの姿が、ふと脳裏に過ぎっていった。

「うーん……今談話しているきらきらな団長様より、あんな表情をもっと見てみたいかも……」

知らず知らず口にして、リズは自分の声でハッと我に返った。

――い、いやいやいや何を考えてるのよっ。

リズは慌てて首を横に振った。団長であるジェドが忙しい間こそ、自分がしっかりしなくっちゃ! そのための恋人役でもあるのだ。

「なら、がんばらないとっ」

そもそもジェドは、リズと違って大人なので〝ふり〟がうまいのだろう。仕事のための役作りであるのだ。色気だったり大人びた雰囲気だったりに、うっかり流されそうになってしまってはいけない。

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