平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「顔を出していない社交界からの誘いが、ここ数日は圧倒的です。もっと増える可能性があると思います……」

「もっと増えるんですか!? 今だって、こんなにあるのにっ?」

リズは思わず涙目になる。多忙さが落ち着いたとはいえ、毎日、午前中の二時間、大量の手紙やら贈り物やらの地味な仕分けが、つらい。

実は、一週間前、長年不在だった獣騎士団長の相棒獣の席が埋まった。

その祝いの手紙やら贈り物やらが、連日届いている状況だった。

獣騎士団長が、軍人というだけでなく、白獣に認められた特別な立場にある領主であり、グレイソン伯爵という身分のせいでもある。

本来なら、社交的な謝辞や招待状は屋敷に届くところだ。しかし、多忙であると知られている彼に、確実に読ませるべく、社交関係の分まで獣騎士団に回ってきているのである。

「『こんなに』というが、上位の貴族の祝いとしては普通だ」

泣き事を言ったリズにそう声を投げたのは、書斎机で手紙の対応にあたっている獣騎士団長、ジェド・グレイソンだ。
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