黙って一緒に堕ちてろよ

「なにかたまっちゃってんの?え、岩倉さんって、もしかしてその性格で案外うぶなの?それはごめんねー!」


──やり返された!!


ニヤニヤと陰湿な笑みを浮かべている彼の思考が読めて、カッと頭に血がのぼる。


「う、うるさい!バカ!バーカ!」


「あれー?岩倉さん、顔赤くないですかー?動揺してんの?」


「怒ってるからだし!別に動揺とかしてないから!」


「そういうのって墓穴掘ってるって言うんだよ、知ってる?」


「掘ってないっ!」


免疫ないんじゃなくて、急だったからびっくりしただけ。


好きでもない男に近づかれるとか、普通に考えてキモいし。


「でも、へぇ。煽り耐性どころか百倍返ししてくる岩倉さんがあんなことで動揺するんだ」


「いいこと知ったな〜」と、彼はわざとらしく大きな声で言う。絶対なにか企んでる。


「……!」


自分がからかう分にはいいけど、おちょくられるのは我慢ならない。あれしきのことで動揺してしまった自分が憎たらしい。


古茶くんとはつくづく相容れない。私は、目の前の古茶くんを睨み、再確認する。



やっぱり、こいつ、





大嫌い!!
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