華道家元の甘すぎ溺愛レッスン
気分は優れないが、心地のよい日差しを感じて、凡奈(はな)は目覚めた。柔らかく差し込む白い光。少し肌寒さを覚えて、凡奈は身をよじった。よく見てみると、自分の部屋ではないことに気付く。記憶が定かではない。ここはどこだろう?ああ、まだ夢の中なのだろうか?そして、ひどく頭が痛い。
 ふと、体の近くに温みを感じて、無意識にそちらに身体を寄せた。温かいけど、これは一体…、と、視線を送った瞬間、凡奈は何も知らない娘のような悲鳴を上げた。
「だ…誰なの…!?」
そこには、若い男性が裸で横たわっていたのだ。

 ことの始まりはこうだ。
 望月凡奈(もちづきはな)、二十七歳。デザイン系の専門学校を卒業し、以来青山に事務所を構える空間デザインの小さな会社に勤めている。会社には様々な経歴、年代の人間がいるが、凡奈は若くして入社したため、初めの三年ほどは実務経験のために先輩社員のアシスタントとして勤務していた。ここ何年かはやっと一人前として扱ってもらえるようになり、ついに先月とある和菓子屋の百貨店での催事展開の空間デザインを任されることになったところであった。凡奈にとって、初めての自分主体の案件である。
 しかし、何年か先輩社員の元で実務経験を積んでいたとはいえ、何もかも手探りの状態である。わからないことだらけだ。まず、どういったモチーフでクライアントに提案するか、そこを悩んでしまっていた。お菓子の飾り付けをするか、和菓子ということで和小物を並べてみるか…。自分のアイデアのひきだしの少なさにいきなり直面し、少し落ち込む凡奈。クライアントへの提案書を提出する期日が迫る中、凡奈はアシスタントとしてお世話になっていた先輩社員の水野渚に、敗北感を覚えながら助け船を求めた。
 「水野さん、水野さんならどういう提案しますか?
  私、せっかくもらったチャンスなのに平凡なアイデアしか出なくて…。」
 「どういう案が出たの?」
 「例えば、和小物とお菓子をディスプレイするとか…。」
 「それじゃあエントランスの空間埋めるのちょっと大変かもね。
  インパクトも弱いし。」
 「そうですよね…。」
 「実際にどういうディスプレイがされているか、百貨店に見に行ってみたら?
  参考になると思うよ。」
 「そうですよね。ちょっと見学に行ってみますね。」
 なるほどな、と凡奈は思った。やはり、どういうものが受け入れられているかは、実際に自分で見てみるより他ないだろう。早速、銀座線に飛び乗って、百貨店へ向かった。

 銀座線沿いには百貨店がいくつかあるが、凡奈は銀座線で行ける分だけでもすべて見て回ろうと、ひとつずつ見学に廻った。百貨店のティスプレイ、今回凡奈が担当するのは、エントランス部分のものなのだが、やはり大きく展開し、目立つようなものが多い。小さなものを使っていることもあるのだが、数を揃えなければならなかったりして、予算がかかりそうだと考えた。それに加えて作業を委託する費用を考えたら、あまり和小物の案は現実的ではなさそうだった。
 メモを取りつつ、最後の百貨店に足を踏み入れた凡奈は、エントランスで思わず息をのんだ。老舗のその百貨店の壮大な吹き抜けの正面に現れたのは、華麗な植物のインスタレーション。今の季節にぴったりな梅の花と木瓜の花、そして大きくうねる割いた竹が、ダイナミックに飾られていた。すっかり目が釘付けになる凡奈。これは、いったい何なのだろう。植物のインスタレーションなのだろうけど、どういう業者に頼んだらこういうものが出来上がるのだろう?興味が膨らみ、細部まで目をやる。枝先まで計算されたかのように美しく飾られている。植物の入っている器まで、見事なものだ。ふと、下の方に目を落とすと、そこには立て看板があった。立派な木の看板で、『御堂河内流 家元 御堂河内柾』と書いてある。
 「なんて読むんだろう?」
思わず口に出して言うと、いつの間にか隣に立っていた青年が、唐突に話しかけてきた。
「みどうごうちりゅう、みどうごうちまさき、と書いてあります。」
 え?と不意を突かれた凡奈が声のした方を振り返ると、とてつもなく端正な顔立ちをした青年が、笑顔で凡奈の方を見ていた。
 「す、すごい名前ですね!」
思わず見とれてしまっていた凡奈は、慌てて返事らしきものをした。それにしても美しい青年である。こざっぱりした黒髪に、象牙色の健康そうな肌、すうっと通った鼻筋と涼やかな目元がとても印象的だ。あまりにまじまじと見つめてしまったので、おかしな人だと思われないか心配になった凡奈は、苦し紛れに言葉を継いだ。
 「家元っていうくらいだから、すごいおじいちゃんなんでしょうね、こんなパワフルな作品を作るなんて、とっても元気なおじいちゃんですね。」
すると、青年は少しびっくりしたような顔をして、一瞬固まった。
あれ、私、なにかまずいことを言ってしまったかしら、と冷や汗をかいた凡奈だったが、すぐに青年はまた笑顔に戻り、
 「そうですね。」
と相槌を打った。
 「お詳しいんですね。」
 「はい、私もいけばなを少々やっておりまして。」
 「いけばな?え、これ、いけばななんですか?!」
世間話のつもりで話を振った凡奈だったが、思わぬ情報が入ってきて、思わず少し大きな声を出して驚いてしまった。
 「ええ、いけばなですよ。」
 「私、いけばなって、もっとおとなしくて、床の間に飾ってあるようなものだと思っていました…!」
 「ふふ、よく言われます。」
凡奈は、改めてその“いけばな”を見た。凡奈がイメージしていたものとかなり違う。着物を着た奥様が畳の上で楚々として活けている、おしとやかな印象を、今まではイメージとして持っていたが、今目の前にある“いけばな”は、力強く、荘厳な生命力あふれる作品であった。
「すごい…勉強になります…!」
「ご興味ありましたら、青山に御堂河内流の教室があるので、ぜひいらしてください。」
「はい…ぜひ!」
デザインの勉強になるかもしれないし、もしかしたら今回の仕事を任せられる作家さんにつながるかもしれないと思い、凡奈は教室へ行ってみようと決めた。そして、この青年とももう少しお話をしてみたい。教室に行けば、彼もそこにいるかもしれない、と淡い期待を抱いた。
「そろそろ、」
青年の斜め後ろから、眼鏡をかけた別の青年が声をかける。今存在に気付いたが、ずっと後ろにいたらしい。そんな時間ですか、と返事をすると、青年は凡奈に会釈をして、
「それでは、僕はこれで。」
と、眼鏡の青年を伴ってその場を離れた。
「はい、また、」
あの、お名前…、と、去っていく青年を追おうとしたところで、ギロリと眼鏡の方の青年に睨まれてしまった。
な、なんなのあのメガネ!感じ悪い!それにしても…すてき人だったなぁ。
先ほどの青年を思い出して、頬を染める凡奈。名前をきけなかったのは残念だったが、また教室に行けば会えるかもしれない。それに、仕事に関しても収穫があった。このいけばなを使ったデザインならば、和菓子の会社のイメージにぴったりだし、空間としても素晴らしい宣伝効果があるに違いない。青山に教室があるというのも、運命かもしれない。凡奈は、地下鉄で会社に戻りながら、スマートフォンで早速御堂河内流というのを検索して、教室の場所と、教室が開催されている日程を確認した。今日は一般に開放されている教室はやっていないようだったが、明日には家元教室という一般の人や初めての人でも参加できる教室が開催されているらしい。会社に戻った凡奈は、水野に報告をし、翌日の教室に顔を出すことを決めた。

次の日の会社終わり。夕方から開催されている御堂河内流の家元教室に参加するべく定時であがった凡奈は、少し早めにつくように御堂河内流の会館へ向かった。いけばなの教室というから、古い平屋建ての日本家屋を想像していた凡奈は、実際の御堂河内会館を見てひっくり返るほど驚いた。十階建てぐらいの近代的な大きなビルだったからだ。初めに見たいけばなの作品も凡奈の思っていたものと違ったが、いろいろと固定観念が覆されることが多い。会館に入って教室へ行くと、畳はおろか座っていけるわけでもなく、みんな長机に並んで立っていけている。器もみんな人それぞれ、そもそも人数がとても多く、老若男女様々だ。受付で初めて来たと伝えると、はさみを貸してくれ、黒いスーツを着た女性がそばについて一から教えてくれた。教科書を見せながら、いろいろ手ほどきをしてくれるのだが、なにせ凡奈にとって生まれて初めての体験なので、なかなかうまくいかない。途方に暮れていると、突然、こんばんは、と声をかけられた。没頭していた凡奈は、声に驚いてはっと顔を上げたところ、声の主の顔を見てもっと驚いた。
「あ、あなたは…!」
「来てくださったんですね。」
それは、昨日百貨店のいけばなの前で声をかけてくれた青年であった。
「はい、すごく興味があったので…!」
「そうですか、嬉しいです。」
にこっと笑う青年。やはりとても端正な顔立ちをしている。周りの人々も彼に気付いて会釈をしている。顔見知りが多いのだろうか。
「どうですか、楽しんでいますか?」
「はい、楽しいです!でも、あんまりうまくいかなくて…。」
「初めてなんですから、うまくいけようとしなくてもいいんですよ。
 花との対話を楽しんでください。」
 そう言いながら凡奈の手をそっと取って、一緒に剣山に枝をさしてくれた。いつのまにやら周りに人だかりができている。ほうほうと言いながら参考にしている風もあれば、嫉妬交じりの視線も感じるように思う。この人、人気者なんだなぁ…、などとのんきなことを考えていた。
そうこうしているうちに今日のメインの講師のデモンストレーションと講評が始まり、凡奈もそれを見学した。デモンストレーションでいけられた花は、百貨店で見たものよりもサイズ感こそ小さいものの、なかなかに迫力があり、また新しい感動があった。講評で言っていることはまだぴんと来なかったが、自分の番になるとさすがにかなり緊張してしまった。このような種類の緊張は学生時代以来である。壮年の男性の講師だったのだが、初めてにしてはなかなかうまくいけられていますよ、どうぞ続けてくださいね、といった当たり障りのない内容のことをにこやかに伝えてくれた。もっと怖い雰囲気なのかと思っていたが、これはまるで専門学校の立体造形のクラスの講評の時間に似ているな、と感じ、なんだか懐かしいやら新しい気持ちになるやらで胸が少し熱くなった。
 講師の男性の最後の挨拶で教室は終了し、みな一斉に帰り支度を始めた。凡奈は、帰り支度をしながら、誰に話を持って行って百貨店の催事の相談をすればいいのか思案していた。すると、視界の隅に、あの青年の姿が映った。一瞬だけ、彼に相談してなれなれしいかと思われないかとか、出会い目当てに思われたらどうしようかとか、そういう仕様のないことを巡らせたりなどもしたが、これは仕事のためであるし、他に気楽に話しかけられる人もいないしと、思い切って話しかけることにした。
「あの…っ!」
傍らにいる以前百貨店で睨みつけてきた眼鏡の男性と話していた、その目当ての美青年は、凡奈の呼びかけに気付くとニコッと笑ってこちらの方に向き直ってくれた。
「はい、なんでしょう。」
そのまぶしい笑顔にドキッとしながら、いやいや、これは仕事のお話だからと、気を取り直して言葉を継ぐ。
「いけばなのことで、あの、ご相談したいことがあって。」
青年は少し驚いたような顔をしたが、すぐにまたぱっと笑顔になって、
「はい、ぼくでご相談に乗れることでしたら。」
とこたえてくれた。不安に思っていた凡奈の曇った気持ちを晴らしてくれるような笑顔である。なんだかホッとした凡奈は、落ち着いて言葉をつないだ。
「わたし、この近くの青山デザインワークスっていうデザイン会社に勤めているんですけど、」
と言いながら、凡奈は名刺を渡す。渡された青年は、じっと名刺を見つめた。
「近々丸越百貨店のエントランスで催事の展示を手がけることになりまして、先日山科屋百貨店で拝見したこちらの流派のいけばな作品に大変胸を打たれましたため、ぜひこちらの流派の先生に作品をいけていただけないかと思いまして…。」
 話ながら青年の顔を必死の思いで見つめていたが、段々青年の顔が鳩が豆鉄砲を食ったような顔になっていったうえ、横から眼鏡の男性がすごい勢いで躍り出てきた。
 「ちょっと、あなた…」
 あれ、だめだったかしら…。と凡奈が少し焦っていると、青年が唐突に
 「ちょっといいですか」
と、凡奈の腕をとって走り始めた。
「え!?」
何が起こっているかわからない凡奈は、やっとの思いで鞄と花をつかんで青年についていく。後ろの方で眼鏡の男性がなにか言っているのが聞こえるが、次第に遠くなっていった。
エレベーターに乗った二人は、少し息を弾ませながら、顔を見合わせた。なんだか可笑しくなってふふっと笑うと、青年も気の抜けたように笑っていた。それにしても、少しドキドキしてしまった。なんだか、学生時代の恋愛を思い出すような場面だった。
「あの、失礼ですが、お名前をお伺いしても大丈夫でしょうか?」
改めて名前をききたいと、尋ねてみた。青年は少し間を置いて、
「まさき、といいます。」
と言った。
「真崎さん、私は望月凡奈っていいます。平凡なはなです。」
「凡奈さん、すてきなお名前ですね。」
凡奈は、顔を紅潮させて言葉を詰まらせた。いきなり下の名前で、しかも素敵なお名前って、そういったことを言われたのは生まれて初めてだった凡奈には、かなりときめく言葉であった。
顔を赤くしたまま黙ってうつむいてしまった凡奈に、真崎は思いもよらない言葉をかけた。
「凡奈さん、この後お食事でもいかがですか?」
「ええっ!?」
あまりに驚いた凡奈は素っ頓狂な声を出してしまった。かなりエレガントではない。しかし、真崎は笑顔で凡奈を見つめながら、ただただ返答を待っている様子だった。
凡奈は、真崎がどういう意図なのか掴めずに、必死で思いを巡らせた。からかわれている?それとも、これはナンパ的なお誘いなんだろうか?今までの人生で、男性から誘われたことなんて冗談でもなかった凡奈は、本当に困ってしまった。
そんな凡奈の感情は、思いっきり顔に出ていた。凡奈の顔に書いてある困惑を読み取った真崎は、少しあわてたように
「あ、そんな、下心とかがあってのことではないです、先ほどお話していたいけばなインスタレーションの件で。」
と言葉を付け足した。
凡奈は力が抜けた。あ、そうだった、そもそもその話を真崎さんにしたのは私だった。ならば、このお誘いは乗るほかないだろう。
「それは失礼いたしました、私ったら…。それでは、まいりましょうか。」
なるだけ平静を装って答える凡奈。真崎の笑顔に少しだけ恥ずかしさを感じながら、咳ばらいをした。
「この時間なので、僕の知り合いの店に行きましょう。多分席をあけてくれると思うので。」
御堂河内会館を出てすぐの幹線道路で手を挙げてスマートにタクシーを止める真崎。開いたドアの横に立ち、凡奈に着席を促した。
行先を六本木に指定した真崎は、そのまま電話で件の知り合いの店に確認を取っているようだった。電話を切り、大丈夫だそうですよ、とニコッと笑う真崎。
なんて完成された人なんだろう…。と、凡奈はため息をついた。こんなにすてきな人、もう既婚者か、恋人がいたりするんだろうな…と考えて、ハッとして真崎に尋ねた。
「あの、こんな夜に私と食事とかしてても大丈夫ですか?奥さんとか、彼女さんとか…」
言いながら、これはあまりにも自意識過剰な質問だったかもしれないと思いなおして、慌てて言葉を重ねようとしたところ、その前に真崎から返答があった。
「大丈夫ですよ、僕は独り身なので。」
「え、そうなんですか?意外です…。」
一瞬、ラッキーかもしれない、と思ってしまった凡奈だったが、ふと思いなおして、こんなに素敵なのに奥さんも彼女もいないなんて、女性に興味がないタイプの人なのか、それともとてつもなく人間性に問題があるかかな…、などと要らぬことを考えた。

そうこうしているうちにタクシーが停まり、真崎に促されて知り合いの店に入った凡奈。普段凡奈が利用しているような中価格帯の居酒屋などと違うことが、入っただけでわかる。一瞬、あれ、ここ、払えるかな、との思いがよぎったが、いざとなったら経費で落とそう、ごめん、経理の人!と腹をくくって席に着いた。
「僕が食べたいものがあるので、適当に頼んでもいいですか?」
「はい、どうぞ。」
こういうところで何を選んでいいかわからない凡奈は、真崎のチョイスに従うことに決めた。
やがて運ばれてきたのは、トリッパとバゲット、それにおしゃれに盛られたチーズやドライフルーツに、赤ワインのボトルだった。
「僕、ここのトリッパが大好きで。この季節しかやってないんですよねえ。」
とても嬉しそうにそう語る真崎だったが、凡奈にはトリッパが何なのかがいまいちはっきりとわからないのだった。多分、イタリア料理版のホルモン煮込みだったような気がする。瀟洒な店構えなのに、こんなバーみたいなものを頼むなんて、本当に知り合いの店で自由にしている感じがする。
「本気でおなかがすいているようでしたら、もうちょっと頼みます。ここ、本当はコースしかやってないんですけど、お願いしたらいろいろ持ってきていただけますよ。」
なるほど、コースしかやっていなさそうな雰囲気がとてもする。テーブルとテーブルの間に仕切りがあるので他の客の様子はわからないが、みな正装で来ているようだった。
それから、トリッパやチーズをつまみながら凡奈は自分の仕事の内容を説明した。真崎はうんうんとうなづきながら聞き、時には質問をしたりなどして、ワインを傾けながらとは思えないほど真剣な話し合いになったと凡奈は思った。
「ええ、では、僕の知り合いの先生をご紹介しましょう。きっと凡奈さんにとってもその先生にとってもお互い利益のあるものになると思います。」
そう言ってもらえて、凡奈は盛大に安堵の溜息を洩らした。よかった、とりあえずは仕事の件はなんとかなりそう。教室に足を運んだかいがあったというもの。
「よかったです、真崎さん、本当にありがとうございます!今度なにかお礼をさせてくださいね。」
さて、ここで気が緩んだのは、凡奈の大いなるミスであった。
 ここからワインが進んでしまい、楽しいお酒ではあったのだが、ほぼ初対面の相手との席であるとは思えないほど凡奈は酔ってしまったのだ。
 (うう…帰らないと…。でも、もう眠い…。)
 赤ワインということもあって、途中まで調子よく飲んでいたのが急に酔いが回ってしまう。
 「凡奈さん、とりあえず出ましょうか。歩けますか?」
 と、真崎が腕を取ってくれたところまでは覚えている。

 そして、目覚めたのが見知らぬベッドの上だった。
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