君が呼ぶから帰ってきたよ
「美春も康太にそんな愚痴ばっかり言われても困るに決まってるでしょ。それに私はもう竹中じゃないんですけど!」


そう言って俺に左の薬指にあるシルバーの指輪を見せてくる。


「はいはい、大津だったな。つか、冬樹と結婚するなんて思わなかったなー」


「それ、もう100回は聞いた。気づいたら好きになってたんだから仕方ないでしょ。」


ほぉ、竹中もそんなロマンティックな事を言うとは…冬樹パワーって感じ?


あ。竹中じゃなくて大津か。


「美春、今頃どこにいるんだろうね。」


「空から俺らを見てるんじゃない?」
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