君が呼ぶから帰ってきたよ
青い空が広がり雲ひとつない。


晴天というのは今日の空のような事を言うのだろう。


体操服に着替えている生徒たちからは晴れて良かったねという声が沢山ら聞こえて来る。


ほんと、体育祭日和って感じ。


私は左手を太陽にかざしてみる。


「やっぱりすけてる…しかももう肘まで…」


すけてることに気づいた日よりももっと私の手はすけていた。


あの日はまだ手のひらだけだったのに今日は肘まですけていてきっとこれからもどんどんその範囲は広がっていくんだろう。


「美春、こんな所にいたのか。」


後ろから私を呼ぶ声がして振り返る。


そこには学ラン姿の康太。


いつもはブレザーだから別人のよう。


中学の時は学ランだったけど、あの頃とはまるで違う。


中学の時は可愛い男の子って感じだったのに…ほんとにかっこよくなったね。


「康太もう着替えたんだね。かっこいいよ。これが学ランマジックってやつ?」


「は?俺は元からだっつーの。これあちぃ…」


そう言ってパタパタと学ランをあおぐ。
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