溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情


「吉池さんはどうしてそこまで私を想ってくれるんですか?」

「好きだから」


単純明快な答え。

でももう少し言葉が欲しくて黙っていると、手を止め、私の方を見て言葉を加えてくれた。


「中学の頃も、見合いの時も、一目見て好きだと思った。理由なんてない。本能的に惹かれるんだ」

「もしかして兄は吉池さんの気持ちを知っていたからお見合いの話を持ち掛けたんですか?」


吉池さんは首を横に振る。


「俺から気持ちを話したことはない。中学を卒業してからきみに会うことはなかったし、付き合っていた女性もいたから。ただ、俺は無意識のうちにハルに会う度、きみがどうしているかを聞いていたみたいだ。きみと同棲を始めることを話した時、ハルが言っていた。『吉池が絵麻のことをずっと心のどこかで気にしていたのを俺は知っていたよ』って。知っていたなら早く紹介してくれていたら良かったのに、あいつは俺じゃ妹に相応しくないって思っていたんだな」


吉池さんは切なく笑ってから、また手を動かし始めた。

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