勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。

いざ大学へ

放課後、スタスタと速足で前を歩く萌ちゃんを、



必死に追いかける。




足の速い萌ちゃんは、



歩くスピードも速ければ動作もきびきびしていて、



ついていくのに精一杯。



人込みのなかもビュンビュンと通り抜けていく萌ちゃんは、



セーラー服を着ている忍者に見える。




「ほら、さっさと行くよ。



先輩との約束の時間に遅刻する訳にはいかないからね」




萌ちゃんの勢いに押されて、



気が付いたときにはK大に到着していた。




「萌ちゃん、ごめん。……怖い」




連れてきてもらって



いきなりの泣き言で本当に情けないけど、



大学の構内で、セーラー服がこんなに目立つとは思わなかった。




遠慮のない視線が突き刺さり、



足も心もすくんで青ざめる。




「会いたいんでしょ、九条さんに?」




「で、でも」




言ってるそばから、



好奇の目にさらされて胃が痛い。




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