勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「そんな簡単に結婚できるなら、苦労しない」




「あれ、そこ認めちゃうんだ?」




「いろいろあるんだよ」




「ふーん、よくわかんないけど、



そんな悩んでるってことは、



よほど彩梅ちゃんのことが大切なんだな」




「だから困ってんだろ」




本音を隠す気力も失せてきた。




「うわ、千里がキモイ」




なんとでも言え。




さて、行ってくるか。




「おい、どこに行くんだよ?」




「べつにどこだっていいだろ」




溜息をひとつついて、駅に向かった。



< 181 / 250 >

この作品をシェア

pagetop