勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「……彩梅、そろそろ起きないか?」




「……ん?」




まだ、夢、見てるのかな?




うっすらと目を開けば、



すぐ目の前に九条さんの……顔?




……なぜ?




「おはよ、彩梅」




ぼーっとしていると、甘い笑顔と一緒に、



甘いキスが降ってきた。




こ、これは……夢、……じゃない!




「……ひ、ひやあっ! ど、ど、どうして⁈」




「それ、俺のセリフ。朝起きたら、



隣に彩梅が寝てたっていう」




「……び、び、びっくりした!」




「うん、俺がな」




「あ、あ、あ、あっ」




まさか、九条さんの腕のなかで目を覚ますなんて!




でも……どうして?




すると、九条さんが肩を震わせ笑ってる。




「……く、九条さん?」




「いや、相変わらずだなと思って。



で、彩梅はなんでここで寝てんの?」




「あ……、夜中に目が覚めちゃって、



ちょっとだけ九条さんの寝顔をみたいなと思って、



こっそり見てたら、……そのまま寝ちゃった、みたいです」




こ、これは笑われても、仕方ない…




情けないし、恥ずかしい……




がっくりと、うなだれたところで



九条さんの両手にくるまれた。




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