勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「あら、まだ制服着てるの?」




部屋に入ってきたお母さんが目を丸くする。




「あ、うん。今、着替えるね」




どこかそわそわと落ち着きのないお母さんに、首をかしげる。




「お母さんどうしたの?」




「えーっと、そのままでいいから下に来てもらえる? 



おじいちゃんが来ててね」





おじいちゃんがうちに?





お母さんはそれだけ伝えると、先に下に降りてしまった。




おじいちゃんがうちに遊びに来ることなんてめったにないのに、



急にどうしたんろう?





……あっ!





もしかすると、昨日のお見合いのことを怒ってるのかも!




そういえば、今回のお見合いは、



おじいちゃんが決めたことだって言ってた。




勝手にお姉ちゃんを語ってお見合いしたことで、


お父さんやお母さんが怒られたら大変!




ちゃんと、説明しないと!




がばりと起き上がり、



制服のまま髪の毛をぱぱっと整えると、客間へ向かった。




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