勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「いつか他のだれかと



結婚することになったとしても、



きっと私は、



今日ここで九条さんと過ごした時間を忘れません」




九条さんと視線がぶつかって笑顔を返すと、



九条さんの指先が私の頬を滑り……唇で止まった。




からかわれてるんだって分かってはいるけれど、



もう、心臓、破れそう……!





「あ、あの、今日、ちょっと特訓しすぎじゃ、ないですか?」





せめて抗議すると、九条さんが吹き出した。




すごく楽しい一日だったけれど、



帰りの車のなかで言葉少なくなった九条さんを



不思議に思いながら、流れる景色を眺めていた。



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