メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
「私、大学4年生です。22歳。」

「え・・・!?」

いや、どう見ても小学生寄りの中学生、どれだけ頑張っても中3だろう。体はまだこれから身長が伸びるんだろうなと思うくらい小さくて、立ち上がっても150cmもないはずだ。眉と目の間の長さで真っ直ぐに切り揃えられた厚めの前髪とまだ乳歯が残っていそうなあどけない顔。ピンク色の頬は化粧で作られたものではなさそうだ。

俺は自分の鋭い目つきのことも忘れ、彼女の顔を凝視していたことに気がつき焦ったが、彼女が気にする風はなかった。年齢を言った際、相手にこういう反応をされることに慣れているのだろうか。

「いや、嘘だろ。」

嘘をつきそうなやつじゃないのに、にわかに信じ難い。けれど確かに中学生にしては話し方が落ち着いているかもしれない。

そんなことを思っていると彼女は慣れた様子で学生証を見せてきた。印字された生年月日から計算すると確かに22歳で、俺より5歳、いや俺は早生まれだから6歳年下ということになる。しかしそれを見てもなお、『そうなんだ。』とは言えないほどに彼女の外見は年齢とかけ離れたものだった。
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