長い梅雨が明けた日
 * * *


「お前、昼休みに神田と何の話してたんだ?」


自宅に着くと、一度家に戻った優弥が着替えて再び我が家のリビングに戻ってきた。

帰宅してからリビングのソファに身体を預けていた私はまだ制服のままだが、身体を動かす気にもなれずソファに張り付いたままだった。

そんな私に投げかけられた優弥の言葉。


「…」

「理乃?」

優弥が私の隣に腰を降ろす気配を感じた。

でも今は自分の中から溢れ出す思いを制御するのに手一杯で他のことを考えられなかった。


帰りの際に少し濡れた髪を拭ったタオル。

ソファに身体を預けたままの私は、そのタオルで顔を隠していた。


今は余計な事は考えたくないーー


その思いから顔を隠したまま優弥に言葉をかけた。

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