長い梅雨が明けた日

何にしても俺の事ならまだ許せる。


でもあの時、理乃は中学の時の話を出してきた。

中2の頃ーー


まさか俺の話では無いのか?


まさか健二の事?



そんな憶測からつい口を滑らせた言葉。


言った瞬間にヤバいと焦った。

聞き方が不味った。

怒らせたか?
それとも逆に突っ込んで問い返されるか?

焦りながら動こうとしない理乃を見ていた。


でも理乃は何も答えなかった。


…まさか寝てる?


そう思って理乃の隣りに腰を下ろすと
いつもと違う声色の理乃に拒絶された。


誰とも話したくないーー


今まで理乃がそう言う時は決まって熱を出していた。

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