檻の中の魔術師
 僕はヒトに会った事が無い。

 食事は何故か毎日、起きたら三食分が檻の外に置いてあるのだ。

 檻の外に視えるのは、虚無。

 比喩でも何でも無い。事実として、そこには何も無いのだ。

 そこに在った何かが、消えてしまったかのように。
< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop