御曹司の恋の行方~和菓子王子編~
仕事に関しては、昔から真面目に取り組んでいる夕輝。子供の頃から、祖父や父が和菓子を作っている所を見るのが大好きで、その頃から自分は和菓子職人になると決めていた。

今では、機械でする作業も増えているが、祖父の時代は殆ど手作業だった。今でも繊細な練り切り等は手作業なのだが、夕輝はその繊細な作業が大好きなのだ。手先が器用で、子供の頃から見様見真似(みようみまね)で練習している内にかなり上達していた。長谷屋で働く頃には、熟練の職人レベルになっていて、即戦力になっている。

職人になるなら高卒でもいいのだが、一人っ子の夕輝は将来父親の跡を継ぎ社長となるのだ。経営を学ぶ為大学に通い、職人の修行を合間にしながら大学を卒業したのだった。

と言っても、幼稚舎から大学まで繋がっていたので、勉強はそこそこに私生活はかなり自由に遊びまくっていたのだが…

とにかく、和菓子にはかなりの思い入れがあって作っている。それが、お客様にも伝わっているのだろう。

いつからか、『長谷屋の和菓子王子』と言われる様になっていた。

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