御曹司の恋の行方~和菓子王子編~
悠里の父の出発までもあまり日がない。

夕輝は土日は必ず一日中店に出るが、父親に事情を説明して、土曜日の夕方から休ませてもらう事になった。

「夕輝、しっかり挨拶して来い。父さん達もお会いした方が良ければ言ってくれ」

「今回は、俺だけで大丈夫。近々親父達にも彼女を紹介するな」

「ああ。楽しみにしてる」


そして週末。
夕輝は、自分が作った和菓子を手土産に、悠里の家に向かうのだった。

悠里の家もベリーヒルズビレッジから徒歩圏内。夕輝の家からは、ちょうどベリーヒルズビレッジを挟んで反対方向になる。

悠里はマンションの前で待っていた。夕輝を見つけると満面の笑み。それだけで幸せになれる夕輝。

キチンとスーツを着た姿に、悠里は目を奪われる。着物も素敵だが、スーツ姿の夕輝は正しく王子。これは、お母さんが大騒ぎしそうだ。

「夕輝、忙しいのに無理言ってゴメンね」

「何言ってるの。無理してでも来るよ。悠里の両親にお会いして挨拶出来るんだから」

「お母さんが大騒ぎしたらゴメンね。先に謝っとく」

「??」意味がわからない夕輝。反対されるのだろうか…


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