俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

祐世side31

パーティー当日、憂鬱な気分で家を出た。

会場となるホテルロビーで天と合流すると『面倒くさいってオーラがムッチャ出てる』と言われた。そりゃそうだろ。本来なら今日は土曜日、美月と思いっきりイチャつき放題の日だぞ。

はあーと盛大なため息を付き会場に向かった。


「やあ、神崎くん。久しぶりだね。頑張ってるかい?」


そんな感じで昨年、俺の事を見知った人が声をかけてくれる。
そして『今日はアルクのお嬢さんと一緒じゃないのかね?』とかなりの人に言われた。俺が想像していたよりも先に叔父たちは周りに触れまわっているのかもしれない。


「アルクのお嬢さんですか?」

「ああ、婚約が決まったと聞いたもんだから、てっきり同伴するのかと思ったよ。」

「その噂ですか。確かに結婚は決めましたけど相手はアルクフードの令嬢じゃないですよ?五年前から付き合っている女性です。」


うんざり、そう見えるように答えると『そうなの?仁見さんから聞いたんだけど、違うのか?』と首を傾げる人がほとんどだった。
叔父も仁見さんとの結婚に乗り気なのだろうが、噂を率先して流しているのはアルクの社長か?



九時過ぎ会場を後にした。
俺に直接噂について聞いてくる者もいれば、俺が否定している姿を見て天に確認しに行くものもいて俺たちは疲れきっていた。


「思ったよりも話を知ってる人が多かったな。折原さんにはいつ話すんだ?」

「今日帰ったら話すよ。家で待っててくれるように言ってあるから。」

「そうか。じゃあ今から飯誘ったら悪いな。」

「悪いけど夜食の用意頼んであるんだ。どうせろくに食べれないだろうからって。」

「はー、いいなー、俺も折原さんみたいな彼女欲し―。」




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