俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
二十五日、いつものレンタルルームで勉強会が始まった。

いつもはお昼と三時に休憩を入れ五時までみっちり勉強するのだが、今日だけは三時から五時まで息抜きでクリスマスを楽しむ事にした。

三時になり大翔と朝倉がジュースとケーキを買いに行った。
たぶん大翔が気を利かせて俺と美月を二人にしてくれたんだと思う。

昨日学校で『祐世、お前の事見直した。ちゃんと約束を守り続けてるお前にご褒美をやろう』と言っていたから。


「美月、連絡先教えて?」

「えっ?そう言えば神崎君の連絡先、知らないままだね。今まで谷川君経由だったから。待ってね。」


あっさりとスマホを取り出し連絡先を教えてくれた。

しかも『休み中、勉強わからないとこ聞いてもいい?』と。
数か月前、出会った頃からは想像もつかない。

俺、ホント我慢してよかったー。

そして『美月に似合うと思って』と昨日購入したプレゼントを出すと『えっ!』と相当驚いていたが『ありがとう。嬉しい。』と受け取ってくれた。
そして美月がブレスレットをつけたところで買い出しに出ていた二人が帰ってきた。

三時半ころから約一時間半、ケーキやお菓子を食べながら受験とは全く関係ない話で盛り上がった。そろそろ帰る準備をしようかと片付け始めたところで、美月が恥ずかしそうに俺たちに小さな袋を手渡してくれた。


「あの、何か皆でお揃いのお守りみたいなの、どうかなと思って・・・。」


袋を開けるとクローバーと王冠?のチャーム。


「男の子にハートの王冠って、思ったんだけどね。」

「きゃー、ありがと。美月の筆箱に付いてるの可愛いなって思ってたの!」

「ありがと。俺らも筆箱に付けるか七菜。お揃いのモノ持ってなかったし。」

「うん!」


早速、筆箱を取り出し二人はチャームを付けだした。


「美月、ありがと。俺も筆箱に付けようかな。受験会場まで持って行けるし。」


連絡先を教えてもらえただけでも幸せだったのに、まさか美月からもプレゼントを貰えるなんて。

俺の幸運、これが頂点ではないかと少し心配になるくらいだった。


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