俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

祐世side15

美月が俺の家を飛び出し会えなくなって一週間、美月に会えず自分の愚かさにため息を付きながら過ごしていた。

メッセージは毎日送っているが未だに一度も返事は返ってこない。

最初の頃は既読すら付かなかったから好転していると信じたい。

そんなある日、バイトから帰ると美月との原因ともなった人物である向井がマンションのエントランス入口に立っていた。


「祐世、お帰り。」

「・・・、お前何してんの?こんな時間に。」

「ん?祐世にご飯作ろうと思って来たの。一人だとろくなもの食べて無いでしょ?」


こいつ何考えてんだ?向井の考えが全く理解できずに返す言葉が直ぐに出て来なかった。


「向井に作ってもらう必要ない。帰って。」

「えーっ、でも終電もうないし。泊めて♡」


ムッチャむかついた。
俺はポケットから財布を取りだし五千円札を彼女に突き出した。


「じゃあこれでタクシー乗れ。じゃあな。」


向井をその場に残しマンションに入ろうとすると、腕を思いっきり捕まれ引き戻された。


「なんで!いつもみたいに泊めてよ!なんでタクシーで帰れって言うの!」

「はっ?当り前だろ?彼女でもないヤツ一人なのに泊めないよ?まあ、これからは彼女でもない女はみんなと一緒でも家に入れないけど。」

「彼女に言われたんだ。心が狭い女なんだ。わたしなら、そんな事言わないよ?」


ムカついた、いやプチっと一本キレた感じだ。


「もしも万が一、彼女と別れる事になってもお前と付き合う事は絶対にありえねえから。俺、バイトで疲れてんだよね、早く帰れよ。そして二度と来るな。じゃあな。あっ、大学でも話かけてくんなよ。」


俺の怒りの籠った声と冷え切った目を見て目を見開き固まった向井をその場に置いて俺は足早に部屋に戻った。

はあ、これだけ言えば来ることは無いだろう。


美月もこの家に来るのも気持ち的にも嫌だろう。

それに俺もさっきの事があって急にこの家に住みたくないと思ってしまった。
時刻は十二時を回っていたが親父にメッセージを送った。



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