ラグジュアリーシンデレラ
これには、私もムッとした。

私に2人がイチャついているのを、我慢して見ていろって言うの?

いくら林人さんが、仕事の為に優しくしているからって、それはないわ!


「りずさん、私達これからデートなんです。りずさんこそ、空気を読める方だったら、お引き取り下さい。」

ふんっ!言ってやった!

「デート?私も行くわ。」

「はあ?」

何を言っているの?このとんちんかんのお嬢様。

「だって、婚約者が他の女とデートだなんて、何があるか分からないじゃない?」

「それは……」

「まさか、既成事実でも作る気?」

「えっ……」

私の顔は真っ赤になった。

「ははは。私ならいつでも、既成事実作ってあげる。ねえ、林人さん。」

りずさんは、上目遣いで林人さんを誘惑している。

林人さんは、りずさんに抱きつかれたまま、ごめんと口で謝っている。

もう!怒った!

「林人さん、りずさんが帰らないのなら、私が帰ります!」

「えっ!?結野?」

「失礼します。」

私はカバンを持って、ホテルの部屋を出た。
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