ラグジュアリーシンデレラ
「大丈夫だよ。他にも人がいるから、ここと下の階だけ掃除すればいいんだし。」

「はい。頑張ります。」

パートナーを組む斉藤さんが、いい人でよかった。


そして仕事は、午前中で終了。

12時には、解散。

午後には、のんびりできる。


「お疲れ様ね。」

「はい。明日も宜しくお願いします。」

斉藤さんにぺこっとお辞儀をして、私はオフィスビルを出た。

道を曲がるところで、改めてオフィスビルを見た。

「高いなぁ。」

こんな場所で働いている人、凄いと思う。

きっと、お金持ちなんだろうなぁ。

そう言えば、ここ一帯ってヒルズになっているから、隣の商業施設とかも、お金持ちが買い物する場所なんだろう。

私には、全く関係のない場所。

掃除に来るのだって、週二日だけだし。

ここで、新しい出会いなんて、期待しちゃいけない。

私は、オフィスビルに背中を向けた。
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