ラグジュアリーシンデレラ
「54!?」

そんな高い場所に行くんだ。

そしてエレベーターは、いつものオフィスの階を抜け、ホテルの階も抜ける。


やがて、チンと音がして、54階に着くと、そこは和洋中、何でも揃っているレストラン街だった。

「こっちだよ。」

井出さんは私の腰に、手を当てる。

ドキッとした。

そんなお姫様みたいな扱い、された事ないから。

「ここだね。」

そこは、洋食の高級レストラン。

よかった。

今日、スカート履いて来て。


「お客様、こちらでございます。」

通されたのは、窓側の開けた席だった。

「井出さん。ごめんなさい私、気軽にお肉が食べたいとか言って……」

「びっくりした?」

井出さんは、ニコッと笑った。

「はい。びっくりしました。」

難しい顔は禁物。


今は、夢の最中なんだから。
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