アイツの溺愛には敵わない
3*アイツの優しさの温度

そして、迎えた日曜日。


朝食を済ませた後、隣の颯己の家へ。


家財の梱包や運び出しなど色々と手伝わされるのかと思っていたけれど…


そういったことは全て引っ越し業者さんがやってくれて、私はただ様子を見ていただけだった。


結局、私がお手伝い要員として始動したのは、家財の搬出作業が終わって業者さんがいなくなった後。


何もなくなりガランとした部屋の掃除からだ。


「颯己」


「ん?」


「掃除だけなら、私がいなくても大丈夫だったんじゃない?」


「そんなことないよ。俺は掃除が苦手だから、はーちゃんが一緒だと心強い」


嘘ばっかり。


苦手っていうほど苦手じゃないでしょ。


颯己の部屋、いつも散らかってないし。


極度の綺麗好きとかではないけど、普通に掃除はやってると思う。


だから、颯己なら一人でも難なく掃除が出来る気がするんだよね。


まあ、手伝うと言ってしまったのは私だから、ちゃんと掃除はやるけどさ。


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