MATSUのごくありふれた平凡な日々

松はコップを机に叩きつけた。

「なわけないだろ!」
「落ち着いてよ」

瑠衣はしらっと冷めた声を出した。

「うー、暁先輩」

既に酔っているガブリエルは、暁ロスにグスグスと鼻をすすっている。

イケメン王子は鼻をすすっていても絵になる。

なんだか慰めたくなる。

松はグリグリと頭をなぜてやった。

「痛いよっ。
 ああ、もう、禿げたらどうしてくれるんだっ」

ガブリエルは松の手を払うと、髪の毛を押さえる。

う~ん、王子の禿げねえ。

思わずまじまじと見つめて、想像してみる。

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