でも、さわりたかったよ

君には分かる?私のことが。

例えば今、私が髪を伸ばしている理由だとか。

君と知り合ってから、手を繋いで歩いたり、

誰もいない靴箱で、お前のこと好きだからって愛を囁かれたり、

同じ時間の電車を待ったり、

二人で一つの肉まんを半分こしたり、

駅前の人混みの中で抱き寄せらたり、

16歳の私には知らないことだらけだったから。

毎日どきどきして心地よくて幸せだった。


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