急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「その言い方やめて。どこから聞いてきたのよ」

「え?以前お客様がそう言われてました。不可能だと思われる縁談も見事に纏めてしまうって…口コミでベリーヒルズ内にかなり広まっているらしいですよ」

「やだ…」
亜里砂は眉尻を下げる。

「私はただ、坂田様が田嶋様より背が低い事を気にされているみたいよ、ってあなたに言っただけじゃない…。
最後に坂田様を説得したのは、北柴君でしょ」

「え〜、でも俺、今回はもうほぼ諦めモードだったんですよ。
坂田様と田嶋様、雰囲気が良く趣味も合って、誰が見ても凄くお似合いだったから…てっきりスムーズにご成婚かと思ったのに、坂田様がいきなり渋りだしてしまって…。
これ以上無いくらい良いご縁だと思ったのに、あのまま破談になってしまったらどうしようかと思いました。
でも亜里砂さん、どうしてわかったんですか?
坂田様が、身長を気にされていたこと。
彼、一言もそんな事を言われていませんでしたよね?」

< 5 / 217 >

この作品をシェア

pagetop