過保護な君の言うとおり


「え?」


「人の悪意も知らずに呑気に役割をまっとうする。

ただのパシリだとも気づかずに頼られて嬉しいとか勘違いしてるんじゃないかと思ってたんだが。

……あんた、本当はわかってんじゃん」



 委員長はグッと息を呑んで話を聞いている。

私がこんなふうに人の図星をつけば、たちまち怒りだすだろうと思っていた。


しかし、委員長は静かに返事をよこすだけだった。



「いいんですよ。私は委員長ですし、みんなの役に立てたら」


「……あっそ。望んでやってんなら、言うことねえよ」


「というか、なんでそんな意地悪を言うんですか」


「ただの世間話。それ以外なにがあるんだよ」


 委員長はなにも言わなかった。

またすぐに委員長を呼ぶ声がしたので「それでは」と私の席を後にした。


去っていく委員長の後ろ姿は、陰っていてあの頃の幼かった私の背中と重なって見えた。



少しだけ胸がいたむのはなんでだろう。



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