独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
****

「んっ……」

照明を落とした寝室に、葵の白い肌が浮かび上がる。
甘い愛撫に体が揺れるたび、鎖骨の一粒ダイヤがキラキラと輝きを放った。

「葵、すごく綺麗……」

汗ばんだ前髪を掻き上げ、須和は艶っぽく微笑んでいる。

(柾さん、余裕だなぁ)

思考がもう蕩け切っているというのに、こんな時でも葵は須和にキュンとしてしまう。
彼女は少し悔しくなって、須和の長い指に自分の指を絡めた。

「葵?」

「柾さん、大好きです……私のこと離しちゃだめですからね」

「もちろん、離すわけない」

額を合わせた二人は、引き寄せ合うように口づけを交わす。

最も愛する人と結ばれて、葵の心にあった不安は全て消された。
胸の内に残ったのは、穏やかな幸せと彼に対する深い愛情だけーー。
< 149 / 209 >

この作品をシェア

pagetop