傷つき屋

突然「ライン教えてよ」と言ってきたのは、同じクラスになったばかりでまだよく知らないマコトくんでした。

なんで?と聞いたら、質問したいことがあるんだ、とごく自然に返ってきました。



「じゃあ、質問1。中学どこ?」

帰宅して早速来たメッセージには思わず吹きだしてしまいました。
桜第二中学です、とすぐに返信しました。

「じゃあ、質問2ね。小学校の時の習い事は?」

ほんと、くだらない質問で。
しっかり者でクラスのリーダーみたいで別世界だと思っていたけど、普通の人なんだな、って急に身近に感じました。
中学までピアノ習ってたよ、と返信しました。

「じゃあ質問3。岬がいつも読んでる本って何?」

私は指を止めました。

スマホを枕の上に置き、静かな部屋の中、ベッドの隅に三角座りをして、じっと身を固めました。
しばらくすると、またメッセージが来ました。


「それは内緒なのか。明日、こっそり教えてよ」

親指はまだ、明日真実を話すのか迷っていました。



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